下衆な納税意識

 学校の社会科の中には租税・財政教育があり、社会に出てから国税庁の税務広報を少しは目にすることはあっても、日本人の一般的な(社会保険も含めて)納税意識というのは一般に、納めるというよりは取られる、税金の使途についてはとにかく何でも不満という意識になっている。学校で習ったとおりの従順な理解を超えているというのはある意味珍しいことで、これはこれで尊重すべきなのかもしれない。ジャーナリストによる「お上」への批判活動の成果、あるいは政治不信の産物であろうか。

 

 しかし「払い損」とか「なんとかして取り戻そう」という考えに行き過ぎを感じると、さすがに下衆な印象を受けることがある。例えば生活保護などの補助金の不正受給を狙う人や、脱税のための不正会計に手を染めようとする中小零細から国際的大企業にいたる経営者について見聞すると、そうした人たちには社会の公正と自身の義務について大いに考え直してほしいと感じる。

 ジャーナリストは行き過ぎの事例があると取り締まるべき役所が甘いといった批判をすることもあるようだが、そもそも日本国民の中にいる遵法精神が低く社会制度に無理解な人々をもっと指弾すべきとも思ってしまう。

 

 「払い損」は納税者にとっての(強制義務とはいえ)社会貢献であり誇りとすべきだ。誰かに寄生したりせずに、社会資本の整備や社会的弱者の保護を支えているのだ。そのことをあらためて考えることで、下衆な考えを日本社会から払拭してゆければと思う。(毎年11月には「税を考える週間」があり、国税庁のホームページで関連情報が載るのでこれで勉強し直すのも良いだろう。)

 

健康保険の恩恵を受けていない? 医者の世話にならず健康なのは慶賀すべきです。

失業手当を受け取ったことがない? 永年勤続おめでとうございます。

年金は返ってこない? その前にまずご自身が早死にされないようにご注意を。