入院時の持ち物リスト

  インターネット上でときどき人気女優のバックの中身などEDC(EveryDay Carry:日常携行品)の記事を目にすることがあります。女優以外の一般人のなかにはEDCと称してナイフや火打ち石、懐中電灯、笛などを一式にしている事例もあって、毎日遭難の心配をする人もいるのかと、現代の価値観の多様性を確認させられたこともありました。

 さて持ち物リストといえば、以前に救急箱と工具箱の中身を提案する記事を載せましたが、今回はそうした常備品でなく、あまり事前に予定もしないけれど人生を送る上で突然必要になりそうな『入院時の持ち物』について提案しようと思います。ひとまとまりに常備しておくものではないとはいえ、何時でも鞄に詰めて出発できるか否かを確認してみてください。

 同じ泊まり込みでも、旅行であれば自分で行き先も持ち物も自由に選べますが、入院は楽しみの無いホテルに缶詰になるようなもので、消灯時間や他の入院患者の存在などの不自由も加わるため、持ち物については旅行以上に事前に知っておくことが大事かもしれません。通常は病院から持ち物リストが渡されるので、先ずはこれに従うこととしても、これには必要最小限の持ち物のみが簡単な列挙されていることが多く、追加で持ち込みが可能なものを直ぐに照会できるように把握しておくことは無駄にはならないでしょう。

 

 

保険証(あれば限度額適用認定証も)

医療機関に入るのでこれについて特に説明は不要でしょう。(医療費が高額になる場合には高額療養費制度適用のため、限度額適用認定証を申請して入手することになります。)

 

服用中の薬(要請されればお薬手帳も)

入院の原因とは別の病気や疾患のために普段から服用している薬があれば、担当医師と薬剤師に入院する旨を説明し、入院期間分の薬を入手して持ってゆきます。

 

筆記具と手帳

入院中の手続き書類への署名に加えて、入院生活中にメモをとるために持っておきましょう。(署名の場合は色鉛筆やシャープペンは不可です。念のため。)メモというのは遺書という意味ではなく、医者から受けた注意や家族への連絡事項、暇をみて日記を書いておくといった用途が考えられます。また、手帳にあるカレンダーを見て入院の経過日数を確認するといった意味もあります。

 

印鑑(と朱肉)

こちらも入院中の手続き書類のために必要になることがあります。

 

書類を整理・保管できるA4サイズのクリアフォルダ

入院前後だけでなく入院中にも書類を受け取る機会がありますので、綺麗に整理しておきましょう。

 

現金

病院の中の自販機やコインランドリー、売店のために必要になることがあります。紙幣は一万円札よりも千円札で、硬貨は百円硬貨を主として用意しておくと便利でしょう。

 

着替え(下着・靴下・パジャマ・スリッパ・羽織るもの・退院時に着るもの)とタオル

入院期間と洗濯頻度、季節を考慮して用意してください。また、診察を受ける日中には聴診器や注射に容易に対応できるように、前開きで余裕をもった袖幅の服が好都合ですが、診察や治療の予定が無い日であれば、Tシャツやトレーナー、ジャージなどの普段の生活で着用しているリラックスできる服装でも構わないのではないでしょうか。

タオルは洗顔用と入浴用、日中の汗拭き用なども想定してサイズの大小を織り交ぜて余分に持つと安心です。

病院の床が冷たいようであれば、スリッパで底の薄いものは避けましょう。足が冷えるのは体力に影響しますので。

 

洗面用具関係

歯ブラシ・(割れない材質の)コップ・歯磨き粉・洗顔用石けん・洗顔料・整髪料・櫛かブラシ・電気シェーバー・ドライヤー・手鏡・爪切り

 

衛生用具関係

ティッシュペーパー(ボックスとポケット両方)・ウェットティッシュ・コンタクトケア用品・入れ歯ケア用品・耳かきか綿棒・女性用生理用品・マスク・爪楊枝かデンタルフロス

 

日用生活関連

ゴミ袋他になるレジ袋・レジ袋やタオルをかけるためのS字フック・ハンガー・耳栓

 

電子機器関連(充電器を忘れずに)

携帯電話・PCとレンタルのポケットWiFi・タブレット・携帯ゲーム機・ラジオ(イヤホンと乾電池も)・タブレット・電源タップの延長コード

携帯電話は連絡の他に、日時の確認や写真撮影、音楽の視聴、電子書籍の読書などでも活躍します。PCがネット接続できれば仕事や動画視聴も可能になります。

笑うと免疫力が向上するという研究が近年浸透しているので、お笑いの動画を視聴するのも好ましい入院中の過ごし方になりそうです。ただし深刻な表情をしている患者さんの傍で大笑いするのはいかにも無神経ですのでご注意を。

消灯後は特にイヤホンで聞くラジオが周囲に迷惑をかけない過ごし方になると思います。

 

その他

娯楽は上記の電子機器がある限りまず不足はないはずですが、電子機器に馴染みが無い患者であれば(マンガ、雑誌を含む)書籍やCDプレイヤー、DVDプレイヤー、編み物用具などを希望と趣味に合わせて持参すれば良いでしょう。

また、病院内で飲用のお湯が使える環境で医者の許可があれば、ストロー付きのコップに紅茶やハーブなどのティーバックで好きな飲物を楽しむことも考えられます。自動販売機の飲み物より経済的です。

 

 

最後にこうした持ち物については、他の患者との取り違いや出来心の窃盗に合わないように一つ残らず名前を入れること、不要時には間違われない場所に収納することにしましょう。