和食とイタリア料理の有名料理で見つけた共通点

 世界3大料理に入っているのは中国料理とフランス料理、トルコ料理であり、残念ながら和食は含まれていません。しかしインド料理、地中海料理、タイ料理、韓国料理、ドイツ料理、メキシコ料理など3大に入っていても良さそうな、世界中で親しまれている有名料理は他にも多く認知されていると思います。特にピザやパスタ、リゾットなどで人気のイタリア料理については、大好物としている日本人も多いことでしょう。

 ここで個人的に最近気づいた、和食とイタリア料理の有名料理で見つけた共通点2件を簡単に紹介したいと思いますのでお付き合いください。

 

江戸前寿司とピザ

 ともに炭水化物(米と小麦)の上にタンパク質と脂肪分(魚介類と肉、乳製品など)の食材を載せているという、「構造」が共通しているということの他に、もうひとつ共通点があるように考えています。それはどちらも元の料理方法を短縮した料理であるということです。

 寿司というものは元々、なれずし(熟れ鮨)という魚の保存食でしたが、これをもっと早く食べられるようにしたものが現在の江戸前寿司(にぎり寿司)といわれています。ちょうどこれと同様に、ピザというものは元々、中に具材を入れて焼いたパンでしたが、これをもっと早く食べられるようにしたものが現在のピザといわれています。(諸説あり。そもそも皿のように平たい形に焼くパンはエジプトをはじめとする地中海沿岸地域に古代からあったそうです。)

 文化が発展してゆくと時間や日時をかけてゆく方向に進みそうなものですが、短縮化という進化もあるということでしょうか。

 食いしん坊がやたら早く食べたがるのは、洋の東西を問わないのでしょうね。

 

田舎そばとデュラム・セモリナ・パスタ

 そばの麺は大きく分けて白っぽい更科そばと黒っぽい田舎そばとがありますが、更科そばはソバの実の中心部分のみを厳選して使っていることから白くなり、田舎そばはソバの実の黒い外皮も含めて使うことによって黒くなっているということです。ちょうどこれと同様にイタリア料理でも、パスタはデュラム種の小麦を敢えて粗挽きにした小麦粉を使っているため、一般の小麦粉よりも黄色味が強いものになっています。

 文化が発展してゆくと洗練・細分化された上品さを追求する方向に進みそうなものですが、野趣や食べごたえを追求することも食文化が広くなってゆく一因と思わせるところです。

 

 料理人の発想はどこの国や地域でも似通ってきそうなので、上記の共通点は他の国の料理でもみられる工夫なのかもしれません。引き続き気の向くままに類似点や共通点を探してみたいと思います。