昔テレビで見た「巨人の星」(1968年)の第49話と第50話では、高校を中退した主役の星飛雄馬が入団テストを受けるという筋になっていたのをふと思い出した。この入団テストの内容というのが、
- 100メートル走:合格ラインは11秒台
- 遠投:合格ラインは80メートル
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バッティング:10球中ヒット3本(なお守備は二軍選手だが、エースの堀内が投げる!)
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そしてなぜか星飛雄馬と陸上オリンピック選手である速水との対決
というものだった。ここで本当の巨人の入団試験というものについて調べてみると、さすがにいきなり上記の様な実技テストだけではなく、書類選考のあとに以下の実技テストが実施されるということでした。(2012年9月22日の球団ホームページから)
- 遠投:95メートル以上
- 50メートル走:6.3秒以内
- 次に投手と野手に別れて実技テスト
遠投と短距離走は単純な測定だが、やはり実技テストでは見る目を持ったコーチを中心に慎重に見極めるようにしているようです。
ついでに他の体力テストについても調べてみようと思い、まずは陸上自衛隊の制度を見てみると、1級~7級まで評価基準を設定されたフォームも厳格に指定された体力検定制度があることがわかりました。テスト項目は以下のとおりで、25歳未満の男性自衛官が1級を獲得するには以下の種目をすべて合格しないといけないというものでした。
第1法<体育服装で実施>
- 腕立て伏せ:2分間に84回
- 腹筋:2分間に84回
- 3000メートル走:10分38秒以内
第2法<戦闘服と戦闘装着セットを付けた重装備の状態で実施>
- 50mダッシュ:12秒以内
- 跳壕:幅1mの壕を両足ジャンプ
- 重量物運搬:灯油缶のような「水缶」20kgを運ぶ
なお、海上自衛隊や航空自衛隊でも同様の体力検定がありますが、種目には異同があります。)
また、公務員試験である消防職員2次試験の中には「体力測定」があり、男性の最高評価10点の基準は以下の通りとのことでした。
- 握力:62kg以上
- 上体起こし:30秒間に33回以上
- 長座体前屈:61cm以上
- 反復横とび20秒:60点以上
- 20mシャトルラン:95回以上
- 立ち幅とび:260cm以上
上記の種目の選定や到達基準評価については、文部省による「新体力テスト実施要領 (20歳~64歳対象)」に準拠してるらしいので、地味ながら一般的かつ総合的な体力指標の管理を考慮しているといって良いでしょう。
もう少し運動生理学や体力強化を目指していると見られる、米国陸軍の戦闘適合訓練(Army Combat Fitness Test =ACFT)では、以下の全6種目すべてを50分以内で実施するという評価制度になっているそうです。
- デッドリフト:154kgのバーベルを3回で100点
- メディシンボール投げ:4.54kgのメディシンボールを両手で後方18m投げれば100点
- 腕立て伏せ:2分間に60回で100点
- 体幹テストは以下の2種目から選択
- レッグタック懸垂(膝を胸に引き上げる動作が加わった懸垂):20回で100点
- プランク: 2分9秒以上保持できれば合格
- 50メートル全力疾走:疾走、牽引、横向き走、持ち運び、疾走の5種目それぞれで50メートルの所要時間を測る。
- 2マイル(約3.2km)走:所要時間
体力づくりのためにジム通いやジョギング、筋力トレーミングに励まれている方は、こうした各種組織の体力測定制度から数値目標を決めても面白いと思います。