AirLand-Battleの日記

思い付きや素朴な疑問、常識の整理など、特段のテーマを決めずに書いております。

生花を飾ってみよう!

 今回は、「生花を飾る」という、ちょっとしたことだけれど奥深い習慣について、その魅力や楽しみ方を簡単にお伝えしたいと思います。「華道なんてやったことない」「なんだか難しそう」「手入れが面倒かも」なんて思っている方でも大丈夫! この記事を読めば、きっとすぐに花屋さんへ足を運びたくなるはず。さあ、一緒に生花がもたらす心豊かな暮らしの魔法を気軽に試してみませんか。

 

「生花」を飾ることの大きな意味

 慌ただしい毎日を送る私たちにとって、ふと立ち止まって自然の美しさに触れる時間は、何よりも貴重なものです。生花は、そんな私たちに、手軽に自然のエネルギーと彩りを与えてくれます。デジタルな情報が溢れる現代だからこそ、生きた花が持つ生命力や、繊細な美しさが、私たちの心に深く響くのではないでしょうか。

 生花を飾ることは、単に部屋を飾るという行為を超え、五感を満たし、心に安らぎを与えてくれる、生活の質を高めるための素敵な習慣です。

  • 癒しとリラックス効果: 生花の持つ自然な美しさや優しい香りは、私たちの心を穏やかにし、日々のストレスを和らげてくれます。
  • ポジティブな気持ち: 部屋に花があるだけで、気分が明るくなり、前向きな気持ちになれます。朝、一番に花を目にすることで、清々しい気持ちで一日をスタートできるでしょう。
  • 創造性の刺激: 花の色や形、質感は、私たちの感性を刺激し、創造力を高めてくれるかもしれません。
  • コミュニケーションのきっかけ: 来客があった際に、飾られた花が会話のきっかけになることもあります。花を通して、より豊かなコミュニケーションが生まれるかもしれません。
  • 丁寧な暮らし: 生花の手入れをすることは、自分自身と向き合う時間にもなり、丁寧な暮らしを送るきっかけになります。

 

 なお、花が好きならば何も「生花」に拘ることはない、というのも一面の事実です。

 しかし、例えば「花を描いた絵画」ならば、水も不要で永く枯れることも無い代わりに、平面の視覚のみの楽しみに留まってしまいます。「ブリザード・フラワーやドライフラワー」では、元は生花ですので立体的で手間もかからない代わりに、瑞々しさや生気を感じるには物足りないでしょう。「植木鉢などで花を育成」するのは非常に良い趣味であると思いますが、花が開くまでの期間の長さや手入れの失敗が不安として残ります。

 

生花を飾ることの魅力 - 五感で感じる豊かさ

 「生花」の魅力は、その見た目の美しさだけではありません。私たちは、花を通して様々な感覚を呼び覚まされ、豊かな気持ちになることができます。そもそも日本人は桜の花見で酒宴を催す伝統文化があるくらいですから、会社の行事で花輪や鉢物の生花を贈るだけでなく、家庭の日常生活の中にこそ生花が楽しみや安らぎを与えてくれるはずです。

  • 視覚的な喜び: 色とりどりの花びら、繊細な葉の形、そして全体的なバランスが生み出す美しさは、まさに自然のアートです。一輪の花を飾るだけでも、空間の雰囲気がパッと明るくなり、目に安らぎを与えてくれます。季節によって異なる花を選ぶことで、一年を通して変化を楽しめるのも魅力です。
  • 嗅覚をくすぐる優しい香り: 花の種類によっては、甘く優しい香りが空間に広がります。その香りは、リラックス効果を高めたり、気分をリフレッシュさせてくれたりするアロマテラピーのような効果も期待できます。玄関に香りの良い花を飾れば、帰宅した瞬間に心が安らぐでしょう。
  • 触覚で感じる生命力: 生きた花は、みずみずしく、時には少しざらついた質感を持っています。そっと花びらに触れてみることで、自然の生命力をダイレクトに感じることができます。
  • 変化を観察する楽しみ: 生花は、日々少しずつ表情を変えていきます。蕾がゆっくりと開いていく様子、花びらの色が微妙に変化していく様子などを観察することは、小さな発見と感動を与えてくれます。まるで生き物を育てるような、愛着が湧いてくる感覚を味わえるでしょう。
  • 季節の移ろいを身近に感じる: 春には桜やチューリップ、夏にはヒマワリやアサガオ、秋にはコスモスやリンドウ、冬にはツバキやスイートピーなど、旬の花を飾ることで、季節の移り変わりを肌で感じることができます。日本の豊かな四季を、より身近に感じられる素敵な方法です。
  • 儀礼やもてなしの心: 仏壇への供花のみならず、客人を迎える際に花を飾る習慣は、相手への敬意やもてなしの心を表現するものです。玄関の一輪挿しだけでも、家族への愛情表現として感じることのできる人は多いのです。

 

初めての生花 - 失敗しないための基礎知識

 「生花を飾ってみたいけれど、何から始めればいいかわからない…」そんな方もご安心ください。特別な技術や知識は必要ありません。ここでは、初めて生花を飾る際に知っておくと役立つマメ知識を、以下に具体的かつ簡単にご紹介したいと思います。

まずは花屋さんへ行ってみよう!

 勇気を出して、近所の花屋さんへ足を運んでみましょう。色とりどりの花たちが、きっとあなたを迎えてくれます。

  • どんな花を選べばいい?: 最初は、自分の好きな色や形の花を選ぶのが一番です。「特にこだわりはない」という方は、季節のおすすめを聞いてみるのも良いでしょう。比較的丈夫で水持ちの良いカーネーション、トルコギキョウ、スプレーマムなどは、初心者さんにも扱いやすいのでおすすめです。
  • 予算は?: 一輪からでも気軽に購入できます。まずは数百円程度で、気に入った花を数本選んでみてはいかがでしょうか。
  • 店員さんに聞いてみよう: 花の名前や特徴、水やりの頻度など、気になることは遠慮せずに聞いてみましょう。親切に教えてくれるはずです。

花瓶の準備と選び方

 花を買ってきたら、いよいよ飾る準備です。まずは花瓶を用意しましょう。

  • どんな花瓶がいい?: 最初は、家にある空き瓶やグラスでも十分です。口が広すぎず、ある程度の深さがあるものが使いやすいでしょう。花の種類や本数に合わせて、いくつか違うサイズの花瓶があると便利です。
  • 花瓶の素材: ガラス製や陶器製など、様々な素材のものがあります。飾る場所や花の雰囲気に合わせて選ぶと、よりおしゃれに飾ることができます。

長く楽しむための基本のお手入れ

 生花をより長く楽しむためには、ちょっとしたお手入れが大切です。

  • 水揚げ: 花屋さんから持ち帰ったら、すぐに水に活けずに、まず「水揚げ」をしましょう。
    1. 花の茎の先端を2~3cm、水中で斜めに切り戻します。水道水を入れた洗面器やボウルの中で行うと、切り口から空気が入るのを防ぎ、水の吸い上げが良くなります。
    2. そのまま数時間、水に浸けておくと、花がシャキッとします。
  • 水換え: 毎日、または少なくとも2日に1回は必ず水換えを行いましょう。
    1. 古い水を捨て、花瓶の内側を丁寧に洗います。ぬめりは雑菌の繁殖の原因になるので、しっかりと洗い流しましょう。
    2. 新しい水を花瓶に入れます。水道水で大丈夫ですが、気になる場合は汲み置きした水を使うか、市販の花用延命剤を少量加えるのも効果的です。
    3. 水換えのたびに、茎の先端を数ミリ程度、水中で切り戻すと、より長く楽しめます。
  • 葉の整理: 花瓶の水に浸かる部分の葉は、必ず取り除きましょう。水中で葉が腐ると、水が汚れやすくなり、花の寿命を縮めてしまいます。
  • 飾る場所: 直射日光の当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。風通しの良い、明るい日陰が適しています。熟した果物の近くも、花の老化を早める原因になるので避けましょう。
  • 霧吹き: 花の種類によっては、乾燥を防ぐために、葉や花びらに優しく霧吹きで水をかけてあげると良いでしょう。

生花を飾る楽しみ方 - 自分らしいアレンジを見つけよう

 生花を飾ることに慣れてきたら、もっと自由に、自分らしいアレンジメントを楽しんでみましょう。

  • 一輪挿しから始める: まずは、お気に入りの花を一輪だけ飾ってみるのも素敵です。玄関やトイレ、寝室など、ちょっとしたスペースに飾るだけで、心が和みます。
  • 色を組み合わせてみる: 同じ種類の色違いの花を飾ったり、異なる種類の花を組み合わせてみたりするのも楽しいです。色のコントラストを楽しんだり、同系色でまとめてみたりと、色の組み合わせで雰囲気が大きく変わります。
  • 高低差をつけてみる: 花瓶の中で、花の高さに変化をつけると、動きが出てより魅力的な印象になります。背の高い花と低い花を組み合わせたり、葉物を添えたりするのもおすすめです。
  • 季節の枝物を添える: 春には菜の花や雪柳、秋には紅葉した枝など、季節の枝物を添えると、より自然な雰囲気を演出できます。
  • フローラルフォームを活用する: フローラルフォームを使えば、初心者でも簡単に本格的なアレンジメントが楽しめます。好きな場所に好きな角度で花を挿すことができるので、自由な表現が可能です。

 

あらためて、「生花を飾ってみよう!」

 いかがでしたでしょうか?生花を飾ることは、決して難しいことではありません。むしろ、手軽に始められて、私たちの日常に豊かな彩りと喜びをもたらしてくれる、素敵な習慣だと信じています。この記事を読んで、「ちょっと花を飾ってみようかな」と思っていただけたら、とても嬉しいです。ぜひ、お近くの花屋さんへ足を運んでみてください。きっと、あなたの心を惹きつける、とっておきの花が見つかるはずです。

 

 

【蛇足】

 端午の節句が近づくと店頭に柏餅が並びます。現在も「生の葉」でくるまれていて、美しく美味しそうです。外国人からは、さぞ原始的に見えるでしょうけれど、生花を愛する気持ちに似て、やはり「生の葉」でないと駄目だと感じます。

 ところが桃の節句では、「ビニール製の葉」にくるまれた桜餅を見ることがあります。ここでも日本文化の退潮をひとつ見つけたような、軽い喪失感を覚えます。お弁当箱にある「バラン」と同じで、いずれみんなビニール製になる運命なのかもしれません。