本当に体育的なスポーツ種目を勧めて欲しい

 子供の頃に習い事や部活などで好きなスポーツに取り組んだ経験のある方は多いと思います。子供の時代にスポーツに取り組むことは、その後の人生においても基礎体力づくりなどの面で貴重な財産になるので(文化部も良いが)、経験して損は無いように思います。

 ところでその種目を選んだ理由は何だったでしょうか。見ていて自分もやりたくなった、友達に誘われたなど様々な経緯があると思いますが、基本的には自分で判断して自由に選択しているはずです。

 

 ところで個人的には中学時代に「テニスをやると利き腕の方が長くなってしまう」とか「サッカーをやると足が短くなる」、「水泳部は冬にやることがない」といった種目ごとのおかしな噂話を聞いて迷った記憶があります。

 

 ここでちょっと体育的に理想的なスポーツ種目、特に成長期の子供が身体を育成するのに相応しい種目というのは無いのかと素人ながら思いつきで考えてみたいと思います。

 理想的というのは、持久力、瞬発力、柔軟性、巧緻性、バランス、精神といった多面的な「体力要素」を使う(養う)ものであること、足だけでなく腕や背中、腰などなるべく全身を使う(養う)ものであること、走ることに加えて跳ぶ、投げるといった多様な動作がある(養う)こと、怪我が少ないこと、取り組んでいて面白味のあること、用具や設備の面で取り組みやすいことを備えていて欲しいです。 

 

 現在広く楽しまれているスポーツ種目はどうも上記の理想に程遠いものが多い気がします。

 例えば野球は巧緻性と瞬発力に偏り気味で、ポジションによってはその偏りが大きくなっているようです。サッカーは野球よりましですが足の能力に偏り気味に映ります。またゴルフは野球よりも更に偏った感じです。結局のところ広く楽しまれているスポーツというのは、どうもゲームとしての面白味のある種目が選ばれる傾向にありそうです。

 

 球技ではハンドボールは比較的バランスがとれた種目であるとどこかで聞いたことがありますが、怪我が比較的多いそうです。陸上競技では400メートル・ハードルが要求される体力要素の多い種目だそうですが、どうしても足腰の能力に大きく依存しているように見受けられます。水泳は全身運動として比較的理想に近いと思えますが、夏以外は室内温水プールの設備を要するという比較的大きい難題があります。

 

 結局はひとつの種目に拘らずに、並行して楽しんだり、季節によって種目を変えたり、成長段階によって変えるといった方策で子供の心身の成長にとっての糧とすることが理想なのかもしれません。

 

 それにしてもどうも現実には野球一筋とかバレー一筋、さらに勉強は後回しになる運営体質が日本全国津々浦々に残っているようですので、スポーツ種目の選択やその推進の面で子供の心身の成長についての理想なんぞは考えてもらえないのには困ったものです。